河内晩柑(かわちばんかん)って何?

河内晩柑(かわちばんかん)初夏から夏にかけて収穫できる黄色くて大きな柑橘です。
見た目や大きさはグレープフルーツに似ていますが、グレープフルーツのような苦味は少なく、さっぱりとした甘みのある品種です。

「柑橘類といえば冬」というイメージや生産量があまり多くないこともあり、まだまだよく知られていないのが現状です。

こちらのページでは初夏から夏に旬を迎える珍しい国産柑橘、河内晩柑のいろいろな呼び名や収穫時期、食べ方、保存方法、近年注目されている栄養や機能性成分などについてご紹介します。

輪切り

まずは河内晩柑の生い立ちから

河内晩柑(かわちばんかん)は、1905年頃に熊本県河内町で見つかった文旦の偶発実生です。 発見された場所の名前(河内)と、収穫時期が春先以降であること(晩生の柑橘)から「河内晩柑」という品種名がつけられています。

外観や大きさが似ているところから、“和製グレープフルーツ”と呼ばれることがありますが、 グレープフルーツのような苦味は少なく、さっぱりとした甘みがあります。

果実

果実は250g〜450gほどあります。

偶発実生(ぐうはつみしょう)って何?

※偶発実生(ぐうはつみしょう)とは、自然に落ちた種や捨てられた種から種子親を 超える特性(糖度が高い、種が無いなど)を持つ偶然発見された品種のことをいいます。
大雑把に言うと「おのればえ(己生え)」で育った実がおいしかったので品種として広まったということです。

※グレープフルーツには、一部の血圧降圧薬の効果に影響を及ぼす成分が含まれていますが、 河内晩柑の果肉の部分にはその成分はほとんど含まれません。

詳しくはこちらをご覧ください。

河内晩柑にはいろいろな呼び名があります

河内晩柑は、なぜかいろいろな呼び名を持つ品種です。

たとえば、“愛南ゴールド”は、愛南町が2007年に総称名称として名付けた呼び名です。

愛南町の「愛南ゴールド」PRページはこちら→愛南町へのリンク
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栽培される県や、出荷される農協(共選場)・生産者によって様々に呼び名をつけているため、“美生柑(みしょうかん)” “宇和ゴールド” “ジューシーフルーツ” “灘オレンジ” など いろいろな商品名で販売されています。

熊本県では“天草晩柑”、鹿児島県では“サウスオレンジ”、 高知県では“夏文旦” とも呼ばれていますが、すべて品種は同じ河内晩柑です。

※当園は品種名である「河内晩柑」という名前を使用しています。

河内晩柑って種はあるの?

河内晩柑は(多くはないものの)元々種が入る品種です。
種の多い少ないは、樹齢や個体差によるものにはなりますが、果実がなっている河内晩柑の樹の近くに、別のかんきつ類の樹 (種がたくさん入る甘夏などの樹)があると、風や虫などによって花粉が運ばれて受粉し、河内晩柑の実の中に種がたくさん入ることがあります。

当園には河内晩柑の畑が何箇所かあり、収穫時期や発送日によってどちら畑のどの果実がお客様へお届けとなるかは、その時々によって変わります。 また、種の有無につきましては、外観から判断することができません。

そのため、お客様からご注文時に、「種が入ってないものが欲しい」「種が少ないものを希望します」とご要望がありましても、 お受けすることができかねますので、ご理解賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

輪切りと種

こんなに種が入っているのは珍しいのですが。

どんなところで栽培されているの?

河内晩柑は5月に開花して実をつけ、翌年の春以降に収穫時期を迎えるまで、樹上で実をつけたまま越冬しますが、寒さに弱いため、栽培適地は 熊本県の天草地方や愛媛県南部など一年を通じて気温が下がりにくく、霜の降りにくい暖かい場所に限られます。

木

柑橘類が栽培できる地域であれば、河内晩柑の栽培自体は可能です。
ただ、おいしく食べられるようになる時期(春先以降)まで樹にならせておくことができるのは、冬に暖かい地域ということになります。
河内晩柑は寒さに弱く、初冬〜冬になり気温が低くなってくると、へたの部分から実がポトッと落ちてしまいます。 (樹が自らの体力に見合う実の量を残して残りを落とし、負担を軽減させるために行う生理落下の一種です。)

落下

冬の寒い日のあとに畑に行くと、こんな感じです。
もったいない・・・のですが、勝手に落下します。

そのため、冬暖かく、実が落ちることなく春を迎えることができる地域が栽培に適した場所となります。

吉田農園のある愛媛県愛南町は年間平均気温が17℃ 年降水量が1,900mmを超え、 温暖多雨な気候を活かした柑橘類(特に春先以降に収穫される晩柑類)の産地です。 なかでも、河内晩柑は全国生産量の約50%以上を占める全国一の産地となっています。

生産量グラフ
※収穫量のデータ 農林水産省 特産果樹生産動態等調査より

木成り栽培って何?どんな特徴があるの?

河内晩柑は、一般に糖が高い3月から5月にかけて収穫し、低温貯蔵で減酸させて4月以降に販売します。 樹への負担を考えて、5月の花の開花を迎える前に、前年の実をすべて収穫してしまうためです。

実をつけたまま花を咲かせることは、樹に大きな負担がかかります。 負担がかかりすぎると木が弱ったり、翌年の実をつけなかったり。 最悪の場合は木が枯れてしまいます。

実と花

5月初旬ごろの開花時。

当園では「木成り」にこだわって河内晩柑を栽培しています。 「木成り栽培」は5月以降も実を木に成らせたまま完熟させ、糖酸比が高くなってから 順次収穫・出荷する栽培方法です。樹勢が強い河内晩柑だからこそできる方法でもあります。

3〜5月初めに収穫した河内晩柑は、特別な貯蔵方法でないと 夏まで品質を保つことが難しいのですが、当園の河内晩柑は すべて木成り栽培 (出荷の直前まで木に成ったまま)なので、国産の柑橘類の収穫が少ない 初夏〜盛夏に出荷が可能となっています。

収穫時期によって変わる味わい

木成り河内晩柑は、収穫時期によって味わいがかわるのが特徴です。

<初夏 5月〜6月上旬>
果肉がやわらかく、果汁がたっぷり。糖度も酸味も強く、
河内晩柑の濃い味がお楽しみいただけます。
<6月中旬〜7月中旬>
夏に向かって徐々に糖度も酸味・果汁も減少していきますが
食味が変わっておいしく感じられるように
なります。果肉の柔らかさ・果汁ともにバランスのとれた時季です。
<盛夏 7月中旬〜8月>
実が引き締まり、暑い夏にぴったりのあっさりとした味。
後味のすっきりとした甘みで、実のプチプチとした食感も
お楽しみいただけます。

当園の河内晩柑は、
 ◎ 見た目がきれいな果実は、販売開始から7月上旬ごろまで。
 ◎ 実離れが良くなる(内袋が取りやすくなる)のは大体7月に入ってから。
が目安となります。

お客様によっては、5月から8月の終わりまでそれぞれの時期のものを お求めいただき、時期ごとの違いを楽しまれる方もいらっしゃいます。
お好みの時期のものをお楽しみいただければ幸いです。

見た目はだんだん良くないものになっていきます。(残念ながら)

5月に花が咲いてから、翌年5月の収穫開始まで。12か月以上、長いもので15か月もの間 樹になったままですので、後の時期になればなるほど、雨風の影響を受けてしまいます。
そのため、7月〜8月の河内晩柑は、同じ商品(中玉・大玉・B品)であっても、 5月のものに比べると、見た目は良くないものになっていきます。

気温が高くなってくると、一度は黄色に色づいていたものが少し緑に戻ってしまうことがあり、 回青(かいせい)現象といいます。熟していないというわけではなく、中身も問題ありません。

回青果実A

7月ごろの通常品です。

回青現象(かいせいげんしょう)って何?

果皮には元々、緑色の光合成色素であるクロロフィルと橙・黄色の光合成色素であるカロテノイドが 両方あります。クロロフィルは秋から冬にかけて分解が進むため、隠れていたカロテノイドが表れて 果皮が黄色く見えるようになります。
木成り栽培では翌年の春先以降に気温が上昇してくると、再びクロロフィルが活発に合成されるように なるため、果皮が緑色に変わってくることがあります。

回青果実B

7月以降のご家庭用B品です。

当園で7月以降に販売する河内晩柑(主にB品)には少し緑色の物が入ることがあります。 中身や味には問題ありませんので、ご了承ください。

河内晩柑って栄養はあるの?

河内晩柑はかんきつ類なのでビタミンCが含まれています。
文科省の食品成分表はこちら

初夏〜夏に旬を迎える河内晩柑は、さっぱりとした味で、 夏の水分補給にぴったりの食べ物です。 また、ほとんどが水分なので、カロリーも控えめです。

お客様からは
「夏の暑い日に食欲がわかなくても、これなら食べられる。」
「冷やして食べるとのどごしが最高です!」
といったお声もいただいております。

河内晩柑の果皮に含まれる機能性成分

ピール

愛媛県はかんきつ類の生産量全国一の県です。
そのため、かんきつ類の様々な機能性成分の研究が行われています。
なかでも、近年注目されているのが「河内晩柑」です。
愛媛県の試験研究機関・松山大学・愛媛大学が連携して河内晩柑に含まれる機能性成分の研究開発を進めています。

オーラプテン と ヘプタメトキシフラボン

研究で注目されているのが「オーラプテン(Auraptene)」という成分と
「ヘプタメトキシフラボン(Heptamethoxyflavone)」という成分です。
これらの成分は主にかんきつ類の果皮(外側の黄色い皮)の部分に含まれているのですが、 他のかんきつ類に比べて河内晩柑の果皮に特異的に多く含まれていることが分かってきました。

オーラプテンに関してはグレープフルーツの約4倍、ヘプタメトキシフラボンについては
温州みかんの約2.5倍の含有量があります。

※含有量の数字は松山大学薬学部生薬学研究室の分析データによります。

オーラプテン及びヘプタメトキシフラボンは、それぞれに抗炎症作用を持っており、
炎症から脳を保護する効果が期待されます。脳の炎症が引き起こす「認知症」の予防に
効果があるかもしれないのです。
現在、ヒト介入臨床試験が進行中であり、具体的な結果はまだ判明しておりませんが、
河内晩柑の果皮には体に良い成分がいろいろと含まれていることが分かってきました。
他にも抗がん活性、発がん抑制効果などがあることが分かっています。

当園で今年から販売を開始した「河内晩柑ピール」は、果皮をそのままお召し上がり いただくことができる商品です。甘さも控えめで、河内晩柑の皮の風味をお楽しみいただけます。
こちら

※季節・在庫の状況によって、商品がご用意できない場合もあります。ご了承ください。

河内晩柑と薬の服用 食べても良いの?

※※ご注意ください※※
河内晩柑の果皮には上記のとおり、抗炎症効果のある成分が含まれております。
ただし、血圧などのお薬を服用されている方で、グレープフルーツ(ジュース)の摂取を 止められている方は、河内晩柑の果皮にもお薬の作用を阻害する成分が 含まれておりますので、果皮の摂取は避けてください。

📑 お薬についての参考サイト

グレープフルーツの摂取とお薬の飲み合わせについては、以下のサイトをご覧ください。

📑 機能性成分などについての参考サイト

上記研究などへの関連リンクです。難しい過ぎて分からないものもありますがご参考まで。

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